過去ログ - ジュリア「夢みる歌姫と」千早「ギター少女」
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42:名無しNIPPER[saga]
2016/09/26(月) 00:53:04.67 ID:28zoD9Qao
……

駅から離れる方向へと通りを歩き、途中の細い路地を曲がると地下への階段が現れた。

このみ「赤羽でも珍しい雰囲気の場所だから気に入ってるのよ」

そう言ってこのみは小さな身体を揺らし階段を下っていく。
ロコは何も言わずについていくが、内心では少しだけ怖がっており、
怪しい場所に連れて行かれてバケモノに食べられてしまうのではないかと訝しんでいた。

しかし、この世の果ての様な深い階層まで降りるわけでもなく。
十数段、きっと建物の一階分だろう。先に降り切ったこのみは奥へと続くドアを開ける。
ドアの内側に取り付けられたベルが振動で鳴り、来客を店内に知らせる。

外の日差しはどこへやら。店内は電球色の間接照明で柔らかく照らされ、今何時なのかさっぱり見当がつかない。
ここだけ二十四時間、夜なのではないかとロコは思う。

入り口付近から見える店内の設備はバーカウンターと椅子……至ってシンプル。
さらにバックバーがリキュール類の鮮やかな色で彩られていた。

他に客は無くこのみは迷わずカウンターに陣取る。
そのカウンターの中に居る、店員と思わしき人物の真ん前。



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