過去ログ - P「雪美の教育方針について?」
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10:名無しNIPPER[sage]
2016/09/28(水) 13:52:18.38 ID:8hvf5nw4o
彼女はその皿をひっくり返した。咄嗟のことに俺は手を出すことが出来ず、綺麗なフローリングの上に
ケーキが落ちるのを見ていた。小さな音を立て、ケーキの形は崩れる。クリームがついているからか
思ったよりも飛散しない。

「食べて……」
「えっ」

思わず聞き返し、視線を潰れたケーキから彼女に向ける。彼女は相変わらず冷たい目つきで俺を見ている。

「足りない……?」

「何が」という一言すら出ず、呆然としている俺を気にせず、彼女は自分の膝上までカバーしている
黒いオーバーニーソックスを脱いだ。先ほどとは反転、白く細い足が目に映る。床に落ちたクリームの
ように白い足。その足はケーキにまっすぐ伸びて、そして踏みつけた。わずかな音を立てて、ケーキは
さらに潰れ、原型がなくなっていく。

「はい……食べて……」

再びゾクリとした背筋。クリームのついた足。床に散らばるケーキ。踏みつけたイチゴから漏れる果汁。
こんなことは間違っている。頭でそうわかっている。それなのに俺はなぜ膝を折って、床を舐めているのか。
甘いクリーム。酸味のあるイチゴ。舌に張り付くスポンジ。彼女が踏んだそれを綺麗に舐め取って行く。

「見て……」

膝を折り、床に手をついたまま顔を上げる。先ほどと同じように今度はティーカップを持っている。
中に何が入っているかはわからない。ただ湯気は立っていない。

「桃華と雪乃に教わった……おいしい紅茶と淹れ方……」
「……」
「飲む……?」
「はい」

彼女の問いに即答する。彼女はつま先で床を叩く。視線を下ろし、彼女の二つの白で塗られたつま先を
じっと見る。握れば潰れてしまいそうな儚く細い足。やがて水音が聞こえてきた。床にこぼれる紅茶。
淹れて時間の経ったそれはかつての熱を失い、今は常温となってしまった。それが彼女の足を少しずつ
伝って来る。そしてそれがつま先まで届き、指から床に水滴となって零れる。それをただ見ている
俺の上から彼女の今まで聞いた事のないような楽しげで、そして嗜虐心に満ちた言葉が聞こえてきた。

「私の足……綺麗に舐めて味わってね……?」


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