過去ログ - 【モバマス】まゆ「ママゆ」
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2: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:20:19.65 ID:UB/pX29A0
 強い雨が降っている日だった。

 時間帯が夜に入りかけということもあってか気温は下がる一方で、吹き抜ける風は秋を少し通り越したような寒さを感じさせる。
 佐久間まゆはその寒さに少し震えながらも、しかし明るい足取りで事務所に向かっていた。

「天気予報を見ていて正解でしたねぇ」

 年相応の薄いピンク色の傘は、空から落ちてくる水滴を受け止め、ボツボツと音を立てている。
 しかし、今日のまゆはその音すらもひとつの楽器のような印象を受ける程、気持ちが舞い上がっていた。

「今日は一体どこに連れて行ってくれるのか楽しみですねぇ。ふふっ」

 別にまゆは雨の日が誰よりも好きというわけではない。

 それであればなぜ、まゆのその足取りが明るく陽気なのかというと、それは彼女のプロデューサーが、ディナーに誘ってくれたからであった。

「さ、早く事務所に向かわなきゃ……あらっ?」

 しかし、そんな明るい足取りがはたと止まる。
 それはバッグにしまっていた携帯のバイブレーションに気づいたからだ。


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