33: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:46:43.28 ID:UB/pX29A0
『ああ、本当だ。まゆの都合さえよければ明日出掛けるか?』
「プロデューサーさん、嬉しいです……」
まゆとプロデューサーのオフの日が被ることは滅多にない。お互い多忙な身であるし、まゆの平日のオフは学校もあるからだ。
だからこそ、休日の被りは貴重なもので、さらに一日をプロデューサーと二人きりで過ごせることはまゆにとって至福でもあった。
しかし、今のまゆの中には『二人きり』ではない、別の思惑が浮かんでいた。
『いや、元はといえば悪いのはこっちだからな。これぐらいは』
「あの……それじゃもう一つだけお願いしてもいいですか?」
『ん?できることならなんでもいいぞ』
ちら、と横向きの姿勢で寝ている仁奈をまゆは見つめた。
ま、ママ……?
仁奈、いつもはひとりで寝ることが多いですから――
やっぱりさびしーですよ……
「…………」
『まゆ?どうした?』
「あの、よかったら仁奈ちゃんも一緒に行ってもいいですか?」
二人きりで過ごしたいというのはまゆの素直な願望の一つであった。
しかし、何よりも今横で穏やかに寝ている仁奈をひとりにするのはもっと辛いものであった。
それだったら三人で遊んだほうが何倍も良い。というのがまゆの出した結論である。
「んん……」
もぞ、と仁奈は蠢くとまゆに密着するように小さく抱き着いてきた。寝惚けているようである。まゆは慈しむような表情でゆっくりと頭を撫でると再び静かな寝息が聞こえだしてきた。
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