37: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:49:37.37 ID:UB/pX29A0
「それで、もう帰っちゃったのか」
「ええ、仁奈ちゃんのお母さん初めて見ました。あとお礼も凄い言われて……」
「美人だったろ、あ、いてっ、ちょ、運転中だって!」
ペチとプロデューサーの肩を叩いたまゆはふっと息を吐いた。
「プロデューサーさんは仁奈ちゃんのご両親についてどこまで知ってるんですか?」
「個人的な情報の部分は詳しくは話せん。というか俺自身詳しく知らないのも事実だ。凄い多忙な方達だっていうことは知ってるんだけどな」
信号待ちで車が止まる。助手席からまゆはプロデューサーを見つめるが彼は前を向いたままであった。
「色々事情があるのはわかってるんだ。でもどっちみち仁奈を見守ってあげるのは変わらん」
「そう、そうですね……」
信号が青に変わり車が動き出した。
「まあ、仁奈と俺らはいつでも会えるからな。今は母親との時間のほうが大事だとは思うし」
その前提が逆な気もするけどな、と渋い顔をするプロデューサーにまゆは何も言えない。
「今日ぐらいは、親子水入らず楽しく過ごすだろうよ、うん」
「仁奈ちゃんは強い子ですね。まゆなんかよりずっと……」
「まゆも強いだろ。地元から離れて寮に一人で入って、不安もあっただろうし」
「でも、私にはプロデューサーさんがいますから」
そう言われた彼は苦笑で返事をした。
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