4: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:22:08.42 ID:UB/pX29A0
「プロデューサーさん?」
画面には彼女のプロデューサーの名前が表示されており、指のスライドを求めて、振動を繰り返している。
その要求に従い、指を滑らして耳に合わせる。
「もしもし?どうしたんですか?」
『ああ、急にすまんな。今どのあたりにいる?』
携帯越しのプロデューサーの声に少しだけ心が躍りそうになるが、彼の少し申し訳なさそうな声色を敏感に聴き取ってしまったまゆはある程度、次の展開を察してしまった。
「もしかして、急用ですか?」
『わかるか……すまん、急に仕事が入ってしまって。今から出ないといけなくなってしまったんだ』
「そうですか……」
思っていた以上にがっかりとした声が出たことにまゆ自身も驚いたし、それはもちろん携帯越しの彼にもばっちりと伝わってしまったようだ。
『本当、誘った側だっていうのに申し訳ない……』
「お仕事ならしょうがないですよぉ」
『今度必ず埋め合わせするから、何かまゆのしたいことはあるか?』
「ほんとですか?それなら、今度のオフ、一緒に買い物に行ってもらいたいです」
『ああ、今度のオフだな。予定空けておくよ。それとさっきも聞いたんだが今どのあたりだ?もしも事務所の近くならついでに寮まで送っていくぞ。雨ひどいだろ』
それが彼なりの謝意の現れであることがわからないほどまゆも鈍感ではない。
「雨、確かに降ってますね……ちなみにですけど、仕事ではどちらに行かれるんですか?」
『ん?ああ、場所は――――だが』
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