過去ログ - 京太郎「どうも、貴女のKYOです☆」咲「ドンペリもう一本♪」
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4: ◆pVFxOJxdKw[saga]
2016/09/28(水) 22:08:18.94 ID:DrPAiUa60
流れであれよあれよと連れてこられた場所はホストクラブ……名はセブンというらしい
ホストって言うと水商売の一種で煽ってぼったくる、軟派でチャラい人が多い、女の敵
……とか思われるのが一般的だろう、実際上記のような一面が存在しないわけではない
けども、今いるここは“当たり”だと俺は認識した
思わぬスカウトに最初は困惑したし、怖くもあったのも事実だ
しかし冷静になってみると新しく出来たばかりのホストクラブらしく、俺みたいな未経験者で若いって人達も多い
その状況でもしっかり店が回っていて客もそこそこ入っている、雰囲気も悪くない

「どうだい、良い場所だろ?……ところで君若く見えるけど、学生さん?」

「はい、大学生で18です」

「おー、イイねイイね!ウチプレイヤーも内勤も結構学生さん働いてるからさ、きっと気が合う人もいると思うよ!」

「へぇ……(内勤はまぁなんとなく分かるけど、プレイヤー……?)」

スカウトさんからの専門用語で分かりづらい時もあったが、おそらく流れ的にプレイヤーとはホストのことなんだと思う
実際今の状態が通常営業なら、学生が結構働いているというのは間違いないだろう

「あ、店長!支配人(オーナー)!新人候補ーーーー」

「声がでかい、姫やプレイヤーの邪魔になるだろ」

「うっ、す、申し訳ございません……」

「まぁまぁ、そう目くじら立てないのよ店長。それで、その子は……」

店の片隅に立っていた俺とスカウトさんの前に現れたのは、このホストクラブの店長と支配人さんらしい
店長は強面で不愛想な印象を受ける中年の男性、支配人は優しげな雰囲気の美人だ(やったぜ。)
俺はスカウトさんの失敗を見ていたから抑えめであいさつをする

「初めまして、先ほどこちらの方にスカウトを受けさせていただきました……須賀京太郎です」

「……ふむ」

「良い挨拶ね、キミ……じゃあ早速で悪いんだけど、事務所で少しお話ししましょ?」

「はい、かしこまりました」

職業訓練(ありがとう、ハギヨシさん)でさんざん礼儀作法はやってきた、最低限のマナー……とくにレディの前で失礼があっちゃいかんでしょ
俺はそのまま店長と支配人に連れられて、ほいほいと事務所に吸い込まれた
そこで二人と面接を行ったのだが……

「……お前はいつから来れる?」

「−−−−と、言いますと?」

「ふふふ、そのままの意味よ……貴方は合格、私たちのお墨付きでね」

まさか大した時間会話してないのに、こんなにあっさり認めてもらえるとは思わなかった……ほんと驚いた……
しかし流石に条件とか何も聞かずに始めると決めるわけにもいかないので、契約書など情報の提示を求めた
向こうは快く提示してくれた

ホストは基本歩合給と言う、一ヵ月の売り上げに応じてその何パーセントかを賃金として貰えるという完全実力主義な制度
だからみんなお客からの指名を貰ってお酒をどんどん飲んでもらおうとするわけだ
まぁ、万が一丸一日指名されなかったとしても最低限の日給は出してもらえるらしいが……そっちは大したもんじゃない
……しかし頑張れば頑張るだけ稼ぐことができるというのなら、やる価値はあるのかもしれない
ほかにも契約書等に怪しいところはなかったと思うし、あとは自分次第ってことだろうか

「(俺がここで稼げれば、家族も和との大学生活も守られる……よし!!)」

意を決した俺は資料をテーブルに置き、改めて姿勢を正し二人の経営者を前に深々と礼をする

「いつでも大丈夫です、よろしくお願いいたします!」

「……なら本番は明日からだな」

「じゃあ今日は勉強のためにもみんなの仕事、見て言ってちょうだい……明日からよろしくね、京くん!」

「はい!精進いたします!」

こうして俺は大学生とホスト……二つの顔持つようになったのだ
明日からいそがしくなるぞ!!


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