過去ログ - 高垣楓「特別な貴方との、特別で普通な日常」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/09/29(木) 18:28:25.51 ID:QHWt9jpM0
「……」

「ふふ、似た者夫婦ですね。仲睦まじい、幸せ夫婦」

「貴女の夫になったつもりは」

「いずれなるんですから同じことです」

「決まってしまってるんですか」

「ええ、諦めませんから。――まっすぐ一途な想いは報われる。諦めなければ純粋なその願いはきっと叶うと、私
にそう教えてくれたのは貴方でしょう?」

「それは、そうですけど」

「私は貴方のおかげでシンデレラになれました。だから、シンデレラとして持ち得る何もかもすべてを注いで、私は貴方へ尽くすんです」

「僕なんかに」

「貴方だからです」

「……」

「ふふ。――と、それじゃあプロデューサー」

「……なんですか」

「お願い、聞いてくれるんですよね?」

「ああ、ええ、まあそれは」

「私と、私のなんでもない普段通りの日常を、一緒に過ごしてくれるんですよね」

「構いませんよ。……むしろ、本当にそんなものでいいんですか?」

「ええ。むしろ私は、これがいいんです」

「楓さんがそう言うなら。……ええ、荷物持ちでもなんでも引き受けます。ご一緒しますよ」

「ふふ、ありがとうございます」

「それで……なんですけど、どうしましょう。日程やら何やらは」

「私とプロデューサーのお休みが合うのならいつでも。何曜日でも、前日翌日の予定が何でも、貴方と居られるなら構いません」

「……またそういう」

「本心ですから」

「はぁ……まあでも、そうですね。それなら、多分次の週末辺りに一日くらい……」

「それじゃあそこで」

「いいですか?」

「もちろんです」

「わかりました。ではそこで」

「はい。……ふふっ、ああ、今から楽しみです」

「そんなになるほど……」

「なりもしますよ。プロデューサーさんと一緒に、いろいろ、たくさん過ごせるなんて」

「普通の日常に僕が一人紛れ込むだけでしょう」

「貴方が一人いるのなら、私にとってそれはかけがえのない特別になるんです。何度も何度も言ったじゃないですか」

「まあ、聞きましたけど」

「だから……ええ、楽しみです。とても、とっても」

「まあ、楽しみに思ってもらえているらしいのは嬉しいですけど」

「ああ、本当に心が踊ります。プロデューサーと、日常を。……朝、同じ布団の中での目覚めを。心地のいい微睡みを。お昼、街へ出ての買い物を。こっそりお忍びの散策を。夜、一つの湯船の中へ二人で入るお風呂を。寄り添いながら朝と同じく一つの布団の中で眠りへ落ちる最後を。そんないろいろを、一緒に過ごせるなんて」


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