過去ログ - 幸子とクレープを食べに行くだけ
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3: ◆PowG29OvRE[sage saga]
2016/09/30(金) 08:36:30.03 ID:hoSprtJ/0
輿水は大層な自信家である。だが、その一方ではコツコツと地道な努力を積み重ねる事を厭わない。
ファンの前のアイドルは煌びやかで華やかさの代名詞の様な存在である。だが日常はむしろその逆だ。
地道で厳しいトレーニングをほぼ毎日繰り返す日々。そんな日常に弱音を吐くアイドルも少なくない。
だが、輿水はデビュー前の下積みをしていた頃から一言も愚痴をこぼさずやってきた。
その努力が実ってきたのか、今ではそれなりに知名度を誇るアイドルになってきていた。

「プロデューサーさん、僕が世界一カワイイのでずっと見てしまうのも仕方がないのですが、そんなに見つめられていたら気になって仕方ないですよ。」

気がついたら輿水は目を細めてこちらに怪訝そうな顔を向けていた。

「あぁ、すまんな。ところで輿水、この後用事があったりするか?」

「いえ特にはないですよ。いったい今日のプロデューサーはどうしたのですか?」

「ちょっと思うところがあってだな…少し外に出ないか?」

「仕方ありませんねぇ、いいですよ。プロデューサーはボクがいないとダメダメですからね!」

満更でもない表情をしている輿水を連れ、事務所を出る。
外は柔らかい夏の残り香の様な日差しが降り注いでいて、気まぐれに吹くそよ風が街路樹の葉をサワサワと音を奏でる。絶好の散歩日和であった。
心地よく歩を進めていると、程なくして目的地であった事務所の近くに新しく出来たクレープ屋に着いた。



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