過去ログ - 千川ちひろ「3週間以内に1人もスカウトできなかったらクビです♪」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:07:01.99 ID:uL1sbb1j0
・『アイドルマスター シンデレラガールズ』のSSです。

・世界観はアニメ準拠ですが、他の世界観の要素も含まれております。

・地の文です。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:08:18.04 ID:uL1sbb1j0
「……は?」

突然の死の宣告に僕は困惑した。

「いや、ちょっと待ってくださいよ。めっちゃ会社のために仕事してたじゃないですか……」
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:08:55.53 ID:uL1sbb1j0
「ほら、事務仕事とかかなり頑張ってたじゃないですか」

「ほら、じゃないですよ!あなたはプロデューサーとしてこの美城プロダクションに雇われているんですよ!?そりゃ、私の仕事は減っているので助かってはいますけど……それはプロデューサーさんの仕事ではありません!」

ぐぅ……!
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:09:23.07 ID:uL1sbb1j0
「ではこの近辺でなければいいんですよね?わかりました。経費で落とすので出張してアイドルの卵をスカウトしてきてください。」

「……は?」

ナニヲイッテイルンダコノヒトハ。
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:09:59.41 ID:uL1sbb1j0
〜〜〜

ーーそして、その一週間後。

僕は静岡にいた。何故静岡かというと、せっかく経費なのだから一番行ってみたい場所にしてみただけである。水族館に行きたかったんだ……。
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:10:27.91 ID:uL1sbb1j0

例のデカブツ先輩曰く、
『スカウトのノウハウですか?そうですね……上手く言葉が出てこないのですが、おそらく世間で言うナンパのようなものでしょうか』

チャラチャラした雰囲気のサングラスかけたいかにもヤのつく人のような先輩プロデューサー(通称チンピラ先輩)曰く、
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:11:02.01 ID:uL1sbb1j0
〜〜〜

そして出張は最終日を迎えた。

正直なところ、舐めていた。ナンパの極意を活用しているはずなのに「えっ、やだキモーイ」だとか、「うわーなにあれクスクスー」だとか、散々である。こっちから願い下げだよちくしょう(涙目)。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:11:30.56 ID:uL1sbb1j0
「身体のあるクラゲが歩いてる……」

「……流石に見たことも話したこともない人間にこんな失礼極まりないことを言われるとはね」

いや人だった。オレンジ色の髪の毛から黄色い髪の毛が触手みたくなっているように見えるが、あれは確かに人だった。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:12:11.46 ID:uL1sbb1j0

「へいへーい。お嬢ちゃんひとりー?僕とお茶しなーい?」

「……は?」

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:12:48.35 ID:uL1sbb1j0
だが、ここで諦めてしまっては僕の社会的人権が地に落ちてしまう。それにここまでの美少女はほとんどいない。尚且つ、この攻撃的なファッションセンスとボクっ娘、こんな娘を見逃すのは正直惜しいと思う。
僕は話を続けた。

「いえ、その、すみません……。コミュニケーションというものが不慣れでして……」

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:13:17.91 ID:uL1sbb1j0
「実は、僕は美城プロダクション アイドル部門でプロデューサーをやっている者です。あ、これが名刺です」

「……美城プロダクションというと、あの高垣楓が所属している会社?ボクはそういった流行り物には疎いが、それでも知っているようなアイドルが所属しているのかい?」

「はい。とはいえ、僕にはまだ担当アイドルがいません。そこで、貴女をスカウトしようかと」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:13:47.95 ID:uL1sbb1j0
「……実は僕、この出張で一人もスカウトできなければクビになってしまうんですよ」

もう正直に話すことにした。職がなくなることに比べれば、子供に自分が社会で失敗しそうなことを話すくらい安いものである。最悪スカウトできなくても一度恥をかくだけだ。

「……それで?だからたまたま出会ったボクをスカウトするの?それはあまりにも不合理で不条理だ。全ての物事に理由を求めるわけではないが、明確な理由はあるのかい?」
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:14:14.55 ID:uL1sbb1j0
「……言い方はどうかと思いますが、おそらく一目惚れですね。最初はクラゲだの言いましたが、貴女はカッコよくて可愛らしい。そして、今話していて理由が増えました。この出張で初めて僕の話をマトモに聞いてくれた優しい少女を輝かせてみたい。何より……いえ、これはまだ推測ですが、貴女の求めているであろう非日常へ連れて行きたい。など、ですかね」

「……驚いた。もしかして、キミも"痛いヤツ"だったりするのかい?」

「いえ全く。僕そういうの卒業しましたのでホントに」
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:14:43.75 ID:uL1sbb1j0
まず、今は17時半、とっくに学生が下校しているであろう時間だ。
そしてここは沼津駅前、静岡でも割と都会のほうだ。そんな場所で一人でいるということは、おそらくクラスメイトとは一線を引いているのだろう。
最後に彼女の言動。明らかに普通の日常を求めていたら身につくような言葉の選び方をしていない。

以上の曖昧な理由から推測したため、外れていたら赤っ恥である。


15:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:15:12.49 ID:uL1sbb1j0

「……まぁいい。その、偶像……"アイドル"の件について詳しく聞かせてもらっていいかい?キミがプロデューサーとして共にいてくれるのなら退屈しないかもしれない。そう思えたんだ」

「本当ですか?ありがとうございます!では、そこの喫茶店でいいでしょうか?」

以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:16:21.63 ID:uL1sbb1j0
僕は彼女にアイドルとはどんなもので、どのようなことをするのか話した。

「……といったものです。どうでしょうか?」

「……うん、やってみる価値はありそうだ。確かに非日常が待っている気がするよ」
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:16:47.94 ID:uL1sbb1j0
……ところで、名前をまだ知らない。

「あの、名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「ボクはアスカ、二宮飛鳥。スキに呼んでくれ。キミとボクの出会いが、これからどのような非日常となり、いつかの日常となるのか楽しみにさせてもらうよ」
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:17:17.43 ID:uL1sbb1j0
〜〜〜〜

「ところで、この件はボクの家族にも話すのだろう?ボクからも話すけど、キミのことは検索しても出てこないから信憑性が欠けてしまうんじゃ……」

「えっ、あっ……。そ、そうだ!……もしもし千川さん?実は……」
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:17:59.45 ID:uL1sbb1j0
その後、千川さんに急いで静岡に来てもらい、二宮さんの家族に説明をしてもらった。千川さんは事務員の中でもかなり偉いほうなので検索すれば出てくるため、信憑性のほうも問題がなかった。

結果、二宮さんの家族も話を聞いてくれて、
『飛鳥のやりたいことなら俺は背中を押すまでだ』と父上氏、
『心配ではあるけれど頑張って欲しい。応援してる』と母上氏。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:18:25.52 ID:uL1sbb1j0
二宮さんは後日、346の所有する女子寮に来ることになったようだ。昨日の今日でこちらに来れるはずがないから当たり前である。
僕たちは二宮一家に別れを告げ、東京へ帰ることとなった。

「……プロデューサーさん」

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/10/01(土) 01:19:06.06 ID:uL1sbb1j0
「今回の私の交通費、プロデューサーさんの給料から天引きさせていただきますね」

「え゛っ!?そんな!」

「当たり前です!急なことだったので経費出なかったんですよ!?ウチの会社は事務員への経費はかなり厳しく申請がないと出ないんですから!!」
以下略



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