過去ログ - 【ガルパンSS】西住隊長は天才だから!凡人の気持ちなんてわかるわけがないですよ!
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9:名無しNIPPER[saga]
2016/10/02(日) 22:39:23.21 ID:hsNhL/EX0
「あの、澤さん。私…。」

涙声な西住隊長を前にして、ようやく私はちゃんと彼女を見ることができた。

少し気弱で優しくて、でも戦場では心まで見透かされるようにきりっとするその目。
心をなでるように響く、でも指揮するときにはどんな作戦でも信じさせてしまうその声。

ずっとあこがれていて。ずっと追いつきたくて。ずっと好きで、今でも大好きな先輩がそこにいた。

「すみませんでした。」

思いが、自然と声になる。

「全部上手くいかなくて、焦っていて。さっきは子供みたいな八つ当たりをしてしまいました。本当にごめんなさい。」

ほほに何か流れる感触があって、自分が今泣いているのだと気づいた。

「そんな。私こそ、澤さんがつらいこと、分かっていたのに何もしてあげられなくて。さっきも無神経なことを言って傷つけてしまって…。」

せっかく泣き止んでいたのに、また彼女も泣き出してしまう。

「すみません。」
「ごめんなさい。」

本当は言いたいことが他にたくさんあって。話をしたいのに。
お互いに繰り返し謝ってしまう。

「もう。無限ループに入ってるわよ。」

横にいて、私たちを見ていた逸見さんから、そうあきれたような突っ込みが入る。

「ふふっ。」

その言葉で、今の私たちの状況を客観視できて、思わず笑ってしまった。
西住隊長はそんな私を見て、驚いているけれど。

すー、と息を深く吸い込んで。呼吸を落ち着けて目の前の人を見る。

「西住たいちょ…西住先輩。」

今の私は、どんな表情をしているのだろう。

「先輩、心配してもらってありがとうございました。でも、もうきっと大丈夫です。」

西住先輩も、その言葉に涙をぬぐってこちらをまっすぐ見る。

「でも、もしもまだ悪いな、って思っていたら、ひとつだけかわいい後輩のお願いを聞いてもらえませんか。」

   ***


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