過去ログ - 天の原ふりさけ見れば春日なる...
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17: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/10/04(火) 22:53:06.36 ID:NypoJ6GT0
武蔵「この作戦が終わった後に話がしたい」
大和「話?」
武蔵「大事な話だ」
大和「ん、わかった」
それだけ言って、武蔵は提督の元に戻っていく。
再び思考に沈む。
・・・そういえば、なんで自分はこんなに彼を手伝おうとしていたのだろうか。
好意ではない。彼には悪いが断言できる。いや、彼もその方が嬉しいのか。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
大和「・・・ふふ」
笑ってしまうぐらい、理由がなかった。
どうして彼を助けたんだろう。
いや、違う、彼自身のことだけに関連した理由を思ったから駄目なのか。
そう思えば、案外すんなりと結論に達した。
・・・日本が、好きなのか。
初めて自分と遭遇して、自分を助けてくれた日本海軍。
自分に蔑視を向けるのではなく、同じ味方として接してくれた。そんな彼らを産んでくれた日本が好きなのだ。
ん、でもそれでなんで彼に繋がるんだろう?おかしい。
別に佐世保でも呉でもよかったのに。
十三湊は・・・、言うまでもないし。
・・・。
・・・・・・あ。
大和「なーんだ・・・」
再び涙が溢れた。自分は馬鹿だ。もっと素直に行けばよかった。
彼を初めて見たときに遡れば結論は出る。
さっきはなんでこの答えが出なかったんだろう。
大和「・・・ただの一目惚れか」
なんとも滑稽な事をしたものだ。提督にあんなことを言われたその日にとは。
会って数分で砕かれた恋路というわけか。
大和「それにしても、何が好意ではないと断言できるよ。馬鹿みたい」
誰にも聞こえないように、大和はポツリとそう呟いた。
一四三二。追浜海軍航空基地。
零式輸送機が着陸した。
プロペラの風が滑走路に吹き荒ぶ中、中から艤装を乗せた車が吐き出される。
そのまま一直線に車列は横須賀軍港へ向かう。
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