過去ログ - 天の原ふりさけ見れば春日なる...
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27: ◆cDyTypz3/.[saga]
2016/10/04(火) 23:03:16.84 ID:NypoJ6GT0
深海棲艦側。

防空棲姫「そう、空母機動部隊が来てるんだ、へぇ、来てたんだ」

潜水艦からの報告に防空棲姫が冷酷的な笑みを浮かべた。

乙一「やっぱり来るんじゃない。この前は航空兵力が増大してるとか言って、やっぱり違ったとか言ってた癖に。空母は来ないなんてどうして言えたのよ」

防空棲姫「戦艦を船にでも載せて運んでくると思ってたんだけどねぇ」

乙一「まぁいいわ。空母が来ても装甲空母とヲ級にどうにかしてもらう。元よりそのつもりだったのだし」

戦艦棲姫「もし首尾がよくない場合は「わかってるわよ!」

乙一「あなた達が来るって言うんでしょ?もうその事は了承したじゃない。一々言わなくてもわかってるわよ」

戦艦棲姫 「・・・でも」

乙一「なによ」

防空棲姫「舞鶴の司令官が私達の第二次攻撃を予測していないはずがない」

乙一「ただ見落としただけじゃないの?人間なんだから間違いぐらいするのよ、きっと」

本当にそうならそれでいいが、そうではないと心のどこかで確信めいたものを感じる。

しかし潜水艦からは空母機動部隊以外何の報告も上がっていない。

何かを画策しているはずだ。絶対に。

私達の事を想定した何かを。

乙一が居心地悪そうにする中、戦艦棲姫と防空棲姫は揃って何かを考え始める。

そうして深海棲艦側は、舞鶴の方にばかり思考を巡らせる。

今回を狙ったものではないが、前回の南鳥島奪還作戦で金剛を送り込んだ岩崎司令官の思惑に深海棲艦側はきっちりと嵌まり込んだ。

灯台下暗し。まさか深海棲艦がこちら側に寝返ってなどいないと固定観念のように考えている相手の思考を逆手にとった戦法だ。

金剛が当然のように第二次攻撃の編成に含まれていることから、蘇の戦法が成功を納めつつあることは間違いない。後は金剛がどれだけ時間を稼げるか、生きて帰ってこられるかにかかっている。



二〇五〇。

白露「時雨っ、大丈夫っ?」

時雨「大丈夫じゃなくなったらちゃんと言うよ!っ、左舷後方から魚雷三!」

白露「予想より結構多かったね、敵の数!」

白露の左舷数メートルも離れていない海面を三本の航跡がサッと通りすぎる。

今のところ撃沈確認数は2隻。接敵してから10分も経っていない事を考えれば上々と言える。

しかし敵の数も相当である。減らないわけではない。数も正確に把握している。だがそれでも多いのだ。

時雨「あと何隻だっけ!」

爆雷と、通りすぎていった魚雷の爆発音のせいで海域は低音が轟き続けている。そこで会話しようとすると、自然と声も大きくなる。

白露「あと23!」

時雨「23っ、かぁ!」

白露「赤城さん達、ちゃんと行けたかなっ?」

時雨「行けてなかったら僕達の行為が全部意味ないってことになっちゃうじゃないか!上手くいってるに決まってる!」

白露「そうだよね、そうだよ・・・!」

右舷を白い線が通りすぎていく。

白露「じゃあそろそろ、追い上げかけようかな。今回の戦果一位は、私なんだからっ!」



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