過去ログ - 瀧「君の、名前は――」
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38:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:29:49.24 ID:6BNWGd8K0
その後、少し歩き疲れたので、おあつらえ向きにあったベンチに二人座る。

さっさっ、と三葉はベンチを軽く手で撫でた。

巫女さんをやってただけあって、そういう所は礼儀正しくて、女の子女の子してる所が、可愛いと思う。

「ねぇねぇ、瀧君」

トコトコと小走りで駆けていったと思ったら、近くの自販機でHOTのココアを買ってきた。

そしてそれを俺に渡すと俺の方をじーっと見つめている。

「なに?」

「あけてー」

甘えた口調、甘えた顔で、そんな事を言ってくる。

……可愛すぎる。

「……この甘えん坊」

「えへへー……」

ココアのフタを開けて三葉に渡す。

三葉はすごくすごく嬉しそうにして、お母さんに大好きな料理を作ってもらった子供のような顔で、ココアを口元に持っていった。

3つ俺より年が上な癖に、こういう時に見せるあどけない表情に、俺の心はどうしようもなくやられてしまう。

……もし、俺が子供……特に娘を持ったら、きっと甘えさせて甘やかして、どうしようもなく過保護に育ててしまうんだろうな、と、思った。

「はい、瀧君もココアどーぞ」

「……寒いんだろ? 全部飲んじゃえよ。ていうか、三葉のお金で買ったココアなんだし、いいよ」

「ダーメ。寒いのは瀧君もおんなじでしょー。お姉さんの言うことを聞きなさい!」

「……へいへい」


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