過去ログ - 瀧「君の、名前は――」
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5:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 19:58:18.73 ID:6BNWGd8K0
それをお母さんに相談した事がある。

お母さんの初恋っていつ?と。

すると母は、少し顔を赤くして、あなたもそういう年頃になったのね、もう中学一年生だものね、と笑った。

顔を赤くするような年でもないだろうに、と思うが、母は身内贔屓抜きにしても未だに若く見えるし、とても美人だ。

私とお母さんが並んでどこかを歩いていると、少し年齢の離れた姉妹に間違われた事も一度や二度じゃない(私がどうやら大人びた容姿をしているのも原因だろうが)。友達にもお母さん、すっごい美人だね、とよく言われるし。

そしてその美人の母は、うーんと少し考えたあと。

そうね、私の初恋は……お父さんだったかもね。

と、照れたように言った。

……流石にそれは盛りすぎじゃない? だってお父さんとお母さん、出会ったの二十歳過ぎてからでしょ? それまでに恋の一つや二つ、したんじゃないの?

私のその言葉に、母は苦笑して。

うーん、でもお母さんの町は田舎町だったからね、幼いころから見知った人ばかりで、ピンと来る人が居なかったし。だから本当に初恋はお父さんだったのかも。

と言った。

初恋の人と、そのまま結婚……

まるで理想みたいな、今時、幻想みたいな話だ。

そんな事を考えていた私がどんな表情をしていたかは分からないけど……

母は、私の髪を優しく撫でると、微笑んだ。

焦らなくていいわ。大丈夫、いつかきっと、あなたにピッタリな素敵な男の子が現れるから、ね。

……だといいけど。

お母さんに頭を撫でられながら、私は最後に質問した。

じゃあ、お母さんは、いつお父さんの事が好きになったの? 一目惚れだったの?

私の言葉に、お母さんはうーん、としばらく宙に目線をやったあと、

出会う前から、かな?

と言った後、自分での発言が恥ずかしかったのか、自分で言って自分で照れていた。

私はそんなお母さんを見て、なにそれ、と呟いた。


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