過去ログ - 瀧「君の、名前は――」
1- 20
7:名無しNIPPER[saga]
2016/10/04(火) 20:00:02.53 ID:6BNWGd8K0
緊張は最高潮に達した。

しかし……

俺たちは、お互いに何でもないような顔をして、すれ違った。

すれ違った。

……おい、しっかりしろ、瀧。

ここで、もし彼女に声をかけなかったら、次に彼女に会える保証は、どこにもないんだ。

ドキドキを超えて、バクバクと高鳴る心臓。

それに身を任せて、俺は口を開いた。

「あの……! 俺、君の事、どこかで……!」

俺が声を掛けると、彼女はすぐに振り向いた。

まるで俺の言葉を待っていたみたいだった。

彼女は感極まったような表情をして、涙を流し、そして顔をくしゃくしゃにした笑顔になって、こう言った。

「……私も」

――ああ。

その声を聞いた時、心の中でガッツポーズした。

あの感覚は、衝動は間違いじゃなかった。

俺は、俺たちは。

「「君の、名前は?」」

――きっと俺たちは、ずっとずっと、お互いを探していた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
64Res/62.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice