過去ログ - 芳乃「黄昏の帰り道を、そなたと二人で」
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◆6QdCQg5S.DlH
[saga]
2016/10/04(火) 20:31:29.05 ID:X90mnw8p0
「わたくしは今、そなたが傍にいるから物悲しさは感じませぬがー、そなたはどうでしょー」
「……まあ、寂しくはないな」
「なれば、夢みたいに綺麗なこの情景を楽しみましょー」
「わたくしも、そなたも、茜色となった今をー」
「手と手を重ねてー」
「や、だからそれはだめだって」
「うむー……」
自然な流れで手を伸ばせたと思ったのですがー、やはり承諾は得られずでしてー。
先ほども許可はもらえなかったゆえー、今後頼んでもおそらく重ねてはくれないでしょー。
なればー、とわたくしはうでをさらに伸ばしー。
「……ていー」
ぐいとかの者の手を握りましてー。
「あっ!」
「ふふふー、重ねてくれないならこちらから重ねるまででしてー」
おそらく今後も許可はもらえぬゆえー、我が侭ではありますが無理やり手と手を重ねましてー。
してやったりでしてー、ふふふー。
「……」
「……おや、離さないのでしてー?」
先ほど拒否されたゆえー、振りほどくかれることも覚悟したのですがー。
「そんなにも楽しそうにされたら離せないからな」
「……なんとー」
ふむむー……嬉しいのですがー、どことなくこそばくー……。
しかし、手のひらを伝って確かにかの者の暖かさを感じますー。
心地よいのでしてー、えへー。
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