15: ◆9HQtX1uR2o[saga]
2016/10/04(火) 23:22:22.35 ID:7ab73rSh0
「時子様っ! オーディションどうでしたか!」
オーディション参加者用の待合室を出ると、廊下の奥から豚が小走りで駆けてきた。
私をずっと待っていたのだろう。こういうところは家畜らしくて可愛いわね。
「パーフェクトよ。安心なさい」
「さすが! さすがです時子様っ! それでこそ時子様!」
「フフ……」
褒められるのは嫌いではない。
相手が豚だとしても。
「まぁ、結果が出るのは一週間後よ。そのすぐ後にライブが一つ控えているから、ひとまず貴方もそちらに専念なさい」
「はいっ! 承知しました! あ、俺、車出してきますね!」
「ええ、外で待ってるわ。1分以上待たせたら事務所へ戻った後で鞭打ち100回よ」
「是非に!」
そう叫んで豚は地下駐車場へ続く階段の方へ去って行く。
私はそれとは反対に、受付を抜け、ロビーへと出た。
――さて、豚が来るまで3分ってところかしら。
ああは言ったものの、1分じゃ無理ね。あの豚、トロくさいから。
そう思い、ロビーのソファに腰掛ける。ここにいれば、そのうち豚も私を捜して呼びに来るでしょう。
40Res/29.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。