31: ◆9HQtX1uR2o[saga]
2016/10/04(火) 23:58:26.25 ID:7ab73rSh0
小汚い歓声が私を包む。
今日はあくまで事務所全体のライブイベントだから、私のファンじゃない連中も客席には混じっているでしょうね。
まあそんなもの、関係ないけれど。
ステージの上から、客席の豚共を見下ろす光景は、なかなか気持ちが良い。
一曲歌ってあげると、それこそ豚のように騒々しく汗を飛ばして声を張り上げている。
「アーッハッハッハ! 良いじゃない! 今日は最高の日だわ! あぁ、戯れに、少し訊いてみようかしら?」
私が言うと、「なんですか時子様ーっ!」と野太い返事。
楽しくて、すらすらと、頭の中から言葉が漏れ出る。
「イベントの名前に『舞踏会』なんて言葉が入っているけれど、ねえ、まさか、この中に、私とダンスを踊りたいなんて輩はいるのかしら?」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
クックック。
一斉に手を挙げる客席へ向かって私は叫ぶ。
「分を弁えなさい豚共があっ!」
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