過去ログ - 時子様「豚とダンス」
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9: ◆9HQtX1uR2o[saga]
2016/10/04(火) 23:03:51.56 ID:7ab73rSh0
「ともかく! あたし、もう行きますねっ! そろそろ出ないと収録に間に合わなくなっちゃいますから!」

 法子はそう言うと、残ったドーナツを口の中へ放り込む。

「おう、頑張れよ」

「ちょっと待ちなさ――」

「良いから良いから。時子さんが、プロデューサーさんに連れてってもらってください」

 私の言葉を封殺し、法子は素早く部屋を出て行ってしまう。
 ……あぁ、まったく苛々するわね。
 気遣いを見せたつもりだろうけれど、ありがた迷惑以外の何物でもないわ、本当に。

 ――――――。

「豚ぁっ!」

「は、はい時子様!」

「……タクシー代を、渡してきなさい」

 私が扉を指さしてそう言うと、豚は敬礼して「ぶひぃ」と頷いた。


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