21:名無しNIPPER[saga]
2016/10/06(木) 22:32:10.29 ID:ZjJoYnl/0
そして階段を降りようとしたその時です。
私の袖を後ろから何かが掴みました。
その正体が何か、もう私は知っています。
振り向いて頭を撫でて最後の挨拶をします。
「あの時は本当にありがとね!あなたがいなかったら私...きっと勇気を振り絞れなかったと思うんだ」
そしてタヌキを抱きかかえるとタヌキが何かを手渡しました。
「ふふっ、ありがとね」
貰った柿を手に持った私はタヌキをそっと地面に下ろし最後に一礼をし歩き出しました。
すると後から聞いたことのないかすかな声が聞こえてきました。
(元気でね...また帰ってきたときは一緒に遊ぼうね...)
すぐに後を振り向いた私ですがそこには誰もいませんでした。
タヌキももう森に帰っていったようです。
「...気のせいかな」
また振り向き階段を降りていきます。
後から視線を感じましたが振り向かずに歩き続けます。
みんなに見守られていることがこんなに心強いってことを、私はこの時初めて知ったのです。
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