過去ログ - 【君の名は。】「君の名を。」【夢と知りせば(仮)】
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名無しNIPPER
[saga]
2016/10/07(金) 22:13:14.78 ID:lQVBXINYo
「…入っちゃった」
まじまじとは見てないし、殆ど触ってないし、セーフだよね。と自分に言い訳をしながら髪を乾かす。
「お休みなさい」
「おう、おやすみ」
おじさんに挨拶をして立花瀧の部屋に入る。この部屋に入る度、自分の無くしたものの感覚が強くなる気がする。
その感覚に耐えられなくなり、ベッドにうっつぷす。瞼を瞑って深呼吸をする。
その感覚の元を見つけたくても、元がわからなくて見付けられない。痒いところに手が届かないんじゃなくて、痒いところがどこか分からないように。
立花瀧のスマホをいたづらに取りだし、中身を見てみる。
少し罪悪感を覚えるけど、まあ夢の中だし良いよね。
スマホのアプリに日記をつけるものがあり、そこには5年前からずっと日記がつけられていた。
「5年間書き続けたんか…凄いな…」
日記の中には司と呼ばれる男の子や高木と呼ばれる男の子がメインに出てきた。
テストだとかカフェだとかレストランとか、受験とか大学とかサークルとか、就活とか就職とか
「…豆やな」
ここでこの男の日記を途切れさせるのはなにか勿体ない気がして、追加しようとする。
「あれ?これって───」
目に入ったのは一昨日の日付。見覚えのある文章が書いてあった。
瞬間、私の意識は再び無限の谷底に溶けて流れ落ちていった
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