過去ログ - 【君の名は。】「君の名を。」【夢と知りせば(仮)】
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名無しNIPPER
[saga]
2016/10/07(金) 22:48:16.74 ID:lQVBXINYo
「──クン…─キクン…─タキクン─」
どこからか、声が聞こえる。懐かしい声で、忘れたくない声で、忘れちゃダメな声で、忘れたくなかった声が。
「覚えて…無い──?」
その一言で体が飛び上がる。
「─────ッッ!!」
名前の分からない人を呼ぼうとするから声が出ない。毎日この繰り返しだ。もう慣れた。
胸に手をやっていまだに跳ね続ける心臓を休ませる。
「ふー…」
次に、目から溢れてる涙を拭く。世の中には涙が出ないという人がいるそうだが、自分とは到底関係無いな。そんな事を思いながら立ち上がる。
「…ん?」
無意識に自分の胸の辺りに手をやって揉んでいた。いや、揉める脂肪なんて無いのだが。
なんだか凄く滑稽に思えて吹き出す。だけど直後その行為がスゴく大切なことだと言うことをふと思い出す。
何故、大切なことなのか。それは全くわからない。でも、そんなことも世の中にあっても良いだろうと思う。
パパッと着替えてスマホを取り出す。
「あー…?寝落ちしたかな…書けてないや。」
日記を毎日書いてる自分にとって、空きが出来るのはスゴく悔しい。5年間空き無しなのだ。書かないわけにはいくまい。
「───あれ…昨日…何を…」
昨日の事を全く思い出すことが出来ない。いや、寝る前のことは覚えてるのに、間に一日ぽっかり記憶が空いている。
何をしたのか、思い出すことが出来ない。無理矢理思い出そうとすると、手が震えて、息が荒くなって、気持ちの悪い汗がドバドバ出てくる。
俺は書くのを諦めて、アプリのホーム画面に戻す。。すると、昨日(一昨日)までは覚えの無い日記がついている。
「これ…は…」
なにかの予感がして、そのページを開いた。
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