過去ログ - 【君の名は。】「君の名を。」【夢と知りせば(仮)】
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名無しNIPPER
[saga]
2016/10/07(金) 23:49:34.68 ID:lQVBXINYo
「目が覚めても、忘れないように」
どこからともなく声がする。大切な人の大切な言葉。今までずっとこの聞こえてくる声を頼りに生きてきた。この人のために生きてきた。
「名前、書いとこうぜ───」
ふっと目が覚める。
息を荒くして右掌を見る。
何も書いてない。当たり前だ。この部屋は私一人だもの。
何かが抜け落ちてから8年間、ずっと似たような夢を見てきた。だけど、ここまで鮮明に見えたのは、記憶できたのは今日が始めてだ。
誰か分からない大切な人に貰った言葉。絶対に忘れたくなくてそれでも忘れてしまった言葉。
抽象的で、意味不明な夢なのに悔しくて悔しくて涙がボロボロ溢れる。
それでも、どんなに辛くとも会社には行かなきゃいけない。頑張って涙を止めて体を起こす。
ヒラリ
一枚の紙が机から落ちる。
何かあったっけな。とか、ぼうっとしながら紙を拾い上げる。
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