過去ログ - 【君の名は。】「君の名を。」【夢と知りせば(仮)】
1- 20
2:名無しNIPPER[sage]
2016/10/07(金) 19:16:50.95 ID:lQVBXINYo
春うらら。
桜の花びらが舞い、地面には沢山の草々が生い茂っている。
天気もよく、洗濯物がよく乾きそうだ。
脳内BGMが緩やかに上がったり下がったり。
上京してから早3年。最初は人混みに慣れなかったが、いつ来たことがあるのか路線図や建物の場所も直ぐに覚えることができた
今では学生の時高校に行くようにまっすぐつくことが出来る。
ふと、知っている後ろ姿を見た。
「てっしー!」
思わず声が出る。回りに注目されるのでは、と少しドキッとしたが、こんなことには慣れているのか誰も見ようともしない。
知っているその人は、ぱっと振り向く。
「おお、三葉か。おはよう」
なんだか久し振りの再会、という気がしない。いや、男子というものは10年来であってもそう気にすることはないと聞くが、女子の前でそれはどうなのか。
「なんや、その反応。まるで昨日合ったみたいに」
キョトンとした顔でてっしーが突っ込む
「なにいっとんねん。昨日会ったやろ。それどころか無視しおって」
無視?何を言っているのだ。この男は。以前からオカルト好きだから変なところはあるが、妄想も行きすぎているのではないか。
しかしまあ、そんなことを気にする間柄でもない。話を続ける。
「昨日会ったって、なに言っとんの。昨日は日曜日やさ」
「はぁ?今日は火曜日や。寝ぼけとんのか。ってか方言、思い出したんか。」
失礼なことを言う。壊滅的な被害を負ったとはいえ、まだ存在する故郷の言葉を忘れるわけがない。
そんな旨を伝えると、
「昨日は忘れた言うとったやろ。まさかお前あれか。狐憑きか。」
始まった。てっしーの悪い癖だ。なにかしらオカルトに絡めたがる。
「髪もボサボサ。方言忘れる。おまけに笑いかたが「ふひひ」とか「うひひ」とかやぞ。」
「…夢を見とったんはあんたとちゃうの。ってかサヤちんとはどうなんよあんた。」
「どうって!そりゃあまあ…」
変にはぐらかす。まあそう言うことなのだろう。駅の改札口が見え始める。てっしーは反対側だった。
「ま、幸せにしんさいよ!」
肘でぐいっと胸元を押すような動作をする。
「お前に言われんとっても分かっとるに!じゃあな!」
電車がやって来て、てっしーは連れ去られていく。まあ、彼なら彼女を任せても問題ないだろう。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
34Res/26.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice