過去ログ - 文香「決断まで、及びごっこと呼べる日まで」
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12: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/10/09(日) 16:50:52.32 ID:AqHwWwvvO




翌日も、いつも通りのレッスン。
既に組まれたスケジュールが私の気分で変わるわけも無い。
けれど、集中できる筈もなく。
トレーナーさんに何度も注意され、終わる頃には普段以上にクタクタになっていた。


部屋に戻ると、見慣れた筈なのに少しの違和感。
どうやら、プロデューサーさんの私物が無くなっていた。
改めて、これからの事を実感させられる。
昨日の一件が夢だった可能性は完全に否定された。


窓の外には、傾き始めた太陽。
雲一つ無い空は、まるで私の心象と対称的。
見下ろせば学生が楽しそうにカバンを振り回して歩いていた。


なんで、あんなに楽しそうに…
私は、こんなにも…


八つ当たりも甚だしいが、どの道届かないのだから好き勝手に思わせて貰う。
そして余計、心は加速度的に重くなって。
流しきった筈の涙が、また目から溢れそうになって。


「…終わりそうでしたら…一緒に、帰りませんか?」


なんとか気分を変えようと、口を開く。


「…もう直ぐ終わるから、少しまっててくれ」


カタカタと、キーボードの音が早くなる。
何時も聞いていた筈なのに、今はどこか心地よい。
そして今日で最後と思い出し。
また更に、苦しくなる。


でも、今は。
少しでも長く、一緒の時を過ごしたいから。
一緒の空間を、感じたいから。


私は静かに、彼を見つめ続けた。






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