過去ログ - モバP「橘ありすとだらだらだら」
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16:名無しNIPPER[saga]
2016/10/12(水) 20:58:53.30 ID:wEZ5gGGpo


「よくよく考えてみると、この貴方から色街とかいう表現が出て来るとなんか笑えますね。変な人という言葉が息吸ってるような人なのに」

先程まで荒い息をしていたありすは、息を整えると、半ば笑い飛ばすように言った。
失礼なやつめ。
というかコイツ、俺のことそんな風に思ってたのかよ。

「あ、あの、貶してるわけじゃないですよ」

ジトッとした目で見ていると、ありすは慌てたように取り繕う。
別に不機嫌になどなっていない。というか、絶対貶してる。

「……まぁ、俺くらいになると審美眼のレベルがカンストしてるからな。こう、ちょっとやそっとの美少女、美女だと心動かない」
「褒める気も失せました。まぁ、元々ないですけど」

シラっとした目が向けられる。

「……あの、好奇心で……好奇心で聞いてみるだけなんですけど、ちょっとそっとじゃない美少女とか美女ってどんな感じなんですか」
「ほら、俺の眼の前に一人」

テーブルを挟んで対面に座るありすは「ほぇ?」と間の抜けた声を漏らす。

「えっ、あっ……そうでしゅ、そうですか」

ふい、と俺から視線を逸らす美少女一人。

「これでお前が、二十代前半くらいで目元が柔らかくて、ぼんやり、おっとりとした性格で胸が大きくて寛容と母性が人の形を象ってる感じの女性でついで幼い頃からお互いを知っている幼馴染的存在だと思い込むと完璧な感じになる」

跳ねるように椅子から飛び降りたありすが俺に凄惨な笑みを見せるまで数秒。

「――もうそれ、原型残ってないじゃないですかッ!」

俺のどてっ腹に美しい飛び蹴りを浴びせるまでに更に数秒だった。
雑魚キャラのごとく無様に倒れ伏す俺。

「……そういうのは来世のわたしに期待しててください。ですから、今世はこんな感じなんですが、その……」

ありすががぼそぼそと何事が呟いている間、俺は腹を蹴られたせいで、昼食の親子丼が喉元で暴れ狂っていて死にかけていた。

 ◇


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