過去ログ - モバP「橘ありすとだらだらだら」
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31:名無しNIPPER[saga]
2016/10/16(日) 20:54:52.94 ID:Yk7/J5Eno
 ◇

「悩め、わかうどよ」

盆から取り出したふ菓子を齧る。
黒糖のシンプルな甘みが脳天に響く。

「……わたしはそれ、あんまり美味しくないと思います。味が単純ですし」
「現代っ子にはこの美味しさが分からんか」
「ただの砂糖じゃないですか、こんぺい糖も、ふ菓子も。舌がお子様なんじゃないですか」

まったく、失礼なやつだ。

「まぁ、好物とか好きなものとかは滅多なことじゃ変わらないからな」
「……え?」
「こんぺい糖も、ふ菓子も流行で味が変わるでもないっていうのもある」

期間限定のポテトチップで気に入ってたやつが市場から消えるともう二度と出会えないこともザラだし。

「好きなものは変わらない、ですか」

ありすは噛みしめるように繰り返し、呟いている。

「いや、変わるかもしれんぞ」

食べ物に限った話だから変わらなかっただけで、大人になって好きだったものから嫌いになったものなんて山ほどある。

「大丈夫ですよ。きっと好きなままです。それに、ツバつけてますから」
「……そうか?」

なぜかありすは俺を見て、ふっと相好を崩す。
珍しく、年相応の可愛らしい笑みだった。

ありすはソファから起き上がり、服装を整える。



「さて、帰りますよ」

 ◇


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