過去ログ - 【ごちうさ】 ハッピーの素はあんこ―別編― 【あんこ×ティッピー】
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14: ◆AkH/4.EZSk[saga]
2016/10/13(木) 18:51:42.98 ID:xqY9Scbx0
―――数日後、甘兎庵

あんこ「・・・」

ココア「んー。なんかあんこ元気無い?」

千夜「どうかしら?でも確かに最近シャロちゃんに飛びつく際のキレが少し落ちたような………」

 いつもの台座の上で置物の如く微動だにしないあんこ。

 ただし、その頭部には何も乗っておらず、そのせいかあんこもどこか寂しげである。

ココア「そういえば王冠は結局見つからなかったの?」

千夜「ええ。残念だけれど見つからなかったわ」

ココア「そっかー」

 そんな残念がる二人を他所にチリンチリン♪と店の扉が開く。

千夜「いらっしゃ―――あら。チノちゃん。いらっしゃい」

チノ「こんにちわ。千夜さん」

 来店したのはティッピーを抱えたチノであった。 

ココア「あれ?どうしたのチノちゃん。それにティッピーを連れてくるなんて」

 チノは何故かティッピーを甘兎庵へ連れて行くのにはいつも反対するので珍しい事もあるものである。

チノ「はい。それはティッピーが………」

チノ「……はい。あの千夜さん。すみませんがあんこを掴まえていてくれませんか?」

千夜「ええ。いいわよ」

千夜がしっかりとあんこを摑んだのを確認してから、チノはティッピーをゆっくりとあんこの前に抱え上げた。

 ティッピーは少しもぞもぞと動き毛の中から「ある物」をとりだした。 

 それはあんこの王冠であった。

ティッピー「……あの時は……助かったわい」

ティッピー「………その、礼を言うぞ」

 そしてそれをそっとあんこの頭へと王冠を乗せてやるのであった。

ティッピー「探すのに苦労したんじゃ。これで貸し借りは無しじゃぞ」

あんこ「・・・」

千夜「きゃっ!あんこ!?」

 どこか気恥ずかしそうにしながら、ティッピーがあんこから離れようとした時、あんこはしっかりと摑んでいたはずの千夜の手を振り払うと、今までに無い勢いでティッピーへと飛びついた。

チノ「きゃっ」

ティッピー「ぬおおおお」

あんこ「〜♥」

 そしてそのまま二羽は床をコロコロとしばらく転がってゆき、ココアの足元で止まる。

ココア「ふふふ。あんこったらよっぽど嬉しかったんだね」

ティッピー「―――!!」

あんこ「〜♥〜♥〜♥」

 そこには今までに無いくらい嬉しそうにティッピーにじゃれ付くあんこの姿があった。

チノ「そうですね」

千夜「うふふ。ありがとう。チノちゃん」

 普段なら出来るだけすぐにティッピーからあんこを引き剥がすチノも今日くらいはいいかと、ココアと千夜とともに二羽を眺めているのであった。


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