9: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2016/10/12(水) 18:32:40.01 ID:KohKIjyCO
電車に乗って1駅戻り、帰り道とは逆の出口から駅を出る。
目的の雑貨屋さんの窓辺には色とりどりのマグカップが並べられているのが見えて、
それを見て立ち止まりそうになった私の手を引いて、乃莉ちゃんがお店の扉を開けた。
店内はまるで別世界のようだった。空気までお洒落に感じるのは、何かいい香りのものがあるからなのかな。
私はきょろきょろと辺りを見回してばかり。そんな私を差し置いて、乃莉ちゃんは窓際の食器のコーナーに歩いていった。
私も乃莉ちゃんを追いかけていく。乃莉ちゃんは一番手前にあった白いカップを手に取って、それをじっと見つめていた。
銀色の縁取りとクローバーの模様がきらきらと光を反射していて、それがすごく綺麗だな、って思って……
乃莉「……可愛いね」
なずな「うん」
乃莉「カップ、種類いっぱいあるね」
なずな「うん……」
乃莉ちゃんは最初に手に取ったカップは戻して、ほかのデザインのカップや食器を見ていた。
あ、これもいいかも、とか、ちょっと高いかな、とか、乃莉ちゃんがひとりごとを言っているのを聞きながら、私は最初のカップから目が離せなかった。
28Res/16.14 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。