過去ログ - 菜々「お世話に」心「なり」楓「ました」瑞樹「私たち」早苗「ジサツします」
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7: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/10/17(月) 21:43:04.69 ID:e3MLQFzo0
「……あら?」
あたしは違和感に気づく。普段の事務所と違い、オフィスの席はちひろちゃんのデスクを除いて空席ばかりで、談話室は全て空室。
青木姉妹は麗ちゃん以外お休み。高校生や中学生の子達の談笑の声も聞こえない。
……事務所にあたしたち2人しかいない?
「じゃあ、あたし以外だったらくるみちゃんと仁奈ちゃんしかここにいないのかしら?そういうことになっちゃうけど」
「実は……そうなんですよね。1週間くらい前から『立ち上がるのが難しい』
『喉がまるで使い物にならない』と仰る方が急に増えたんです。うちの事務所だけじゃなくて、お向かいの方も。
全体的に今日の都内では出勤してる人の方が稀のようです」
「あたしたちの業種はなんとも言えないけど、都内に人が少ないのはそりゃあ、土曜日だし?」
「オフィス街周辺なら電車が比較的空いているのも頷けます。しかしこの近辺はどちらかといえば歓楽街ですよね?普通なら土曜日はもう少し人が多くなります」
「あぁ……言われてみれば人少なかったかも」
電車出勤時はその日のスケジュール内容を誦んじたり、窓の外を高速で流れる看板の文字を読み取って動体視力の調子を試したりしてるから、乗客のことまでは頭がいかない。
確かに、思えば今日は座れてたような気がする。座れてたどころかがら空きだったような。
駅にもほぼ人がいなかった。駅員も居なかった。あの時間帯でうちの田舎より低い乗車率は今思えばおかしい。
昨日はどうだったろうか。一昨日は、その前は。一週間前から異変があったかもしれない。

思い出そうとすればするほど延々続々と湧いてくる違和感の塊たちを一旦隅に置いておく。
ちひろちゃんと菜々ちゃんの折角の厚意を無碍にはできないので、目眩が弱まった頃を見計らって病院へ向かった。
一階までなら付き添えると申し出られたけれど、流石にそこまでしてもらうわけにはいかない。


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