50:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:50:37.19 ID:snFV7Fpq0
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チューバが歌うような品のある長い低音が私のおへその下の辺りをくすぐっていました。
余裕のある、なめらかな推進。
あの人がペダルを踏んだり離したりするのに合わせて、私を乗せたこの箱が、深く息を吐きながら東京の街を転がっていくのでした。
人の多いこの街。あふれるような、この街――
窓の向こうを流れていくその姿を眺め、私は目を細めました。
夜を裂くきらめきは、いまを生きる人々が燃やす命の光なのだと思うと、愛おしくてならなかったのです。
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