過去ログ - 海未「エチュード」
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10:名無しNIPPER[sage]
2016/10/19(水) 01:26:25.96 ID:QB1AagmFO
真姫は五線譜ノートを手に取り、ぱらぱらめくる。
綺麗だが、使い込まれてるのが見て取れる。
今までもこのノートを使って曲を書いていたのだろう。

あるページでめくるのをやめて、

「はい、これ」

と、海未に差し出す。
楽譜を受け取った海未の目にまず飛び込んできたのはページの上の方に書かれた、自分でつけた曲の題。
下に目を移すと、五線譜に音符が散りばめられている。
それぞれ五線の上にはE、A、C#mなどのアルファベットや記号が、下にはこれもまた自分が書いた歌詞が、全体的に小さく、まとまった形の字でつづられてある。
五線以外は真姫が直接書いたようで、消しゴムで消した後が何か所もあって、真姫の作曲風景が少し想像された。

「歌詞に曲はつけてみたわ。そこに書いてあるのはメロディーとコードだけだけど」

海未はページをめくりめくり、一通り見てみたが、楽器を演奏した経験の少ない彼女にはよくわからない。
すると真姫は今度はイヤホンのついた音楽プレイヤーをテーブルの上に出した。
ここに録音してあるから聴いて、と。
海未はイヤホンを耳にはめ、再生ボタンを押した。
流れてくるピアノの音はさっき聞いたのとは違って力強い。そこに真姫の声が乗る。
明朗で、エネルギーを感じる凛とした声。海未は楽譜を目で追いながら、今回の新曲を聴いた。



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