過去ログ - モバP「日常の一コマ」
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13: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/10/19(水) 18:09:53.06 ID:O4qi00qi0
「うわぁ、行きたくねー」

 いっそ幻覚のほうがましだ。しかし、この状況を無視もできない。困惑した様子の後輩にだって謝らないと。

 ため息を吐いてから、ぼくは部屋に足を踏み入れる。ぼくに気づいた後輩に目で悪いねと伝えると、安堵の色を浮かべて自分のデスクに戻っていった。ヘレンさんの前で立ち止まる。

 さてはて、どうしてくれようか。かける言葉が見つからない。

 ヘレンさんはぼくを見て、回転したままニヤッと笑った。

「ずいぶんと暗い顔をしているわね。そんなことでは世界レベルにはたどり着けないわよ!」

「いえ、間に合ってます。個人レベルで大丈夫です」

「ふっ……さすがプロデューサーね。最早世界など眼中にないというのね」

 背中を向けたままいうヘレンさん。たぶんドヤ顔をしているはず。

「ええ、そうですね。眼中にないです」

「つまり、自分を研鑽することだけに集中しているのね。私が見込んだプロデューサーなだけはあるわ!」

「……とりあえず止まりましょうか」

 正面がこちらにやってきたところで、回転を止める。ヘレンさんはグラビアポーズをやめて普通に座った。ちなみに彼女の普通は背もたれに身体を預け、豊満な胸を支えるように腕を組み、細く長い脚を組む姿勢を言う。めちゃくちゃ尊大な態度だった。

 さすがに自慢というだけあって、プロポーションとスタイルは抜群にいい。それに顔もいい。快活な性格は雰囲気に出ていて、悪意を感じないからか、威圧感や嫌悪を覚えない。そういうすべてのピースが合わさって、ヘレンさんの行動ひとつひとつは、とても自然に見えた。


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