4: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/10/19(水) 17:54:13.73 ID:O4qi00qi0
奈緒は困ったみたいに眉を寄せた。
「……まあ、そうかもしれないけどさ」
「本当に嫌なら無理しなくていいよ? 今ならまだ間に合うから」
「いや、うーん、嫌とは言わないけど……。智香はいいのか?」
「うん! アタシはちょっと楽しみだなって。ほら、仕事で学校のプールってちょっと新鮮じゃない?」
「でも、水着、あれじゃん……」
「うーん、そうだけど、プロデューサーさんが折角考えてくれた仕事だもん。ちゃんと意味があるって思うから」
えへへ。照れくさそうにはにかむ智香は、やっぱり可愛くて、この魅力は近くにいた方が伝わると実感する。ちょっとだけ罪悪感も湧いたけれど。
智香は胸の前で小さくガッツポーズ。
「奈緒ちゃんも嫌じゃないければ一緒に頑張ろうよ! アタシ応援するから! ね?」
純粋な言葉に、奈緒はあーもうとやけくそ気味に頭をガシガシと掻いた。
「わかったよ! やるよ、やればいいんだろ!」
「やったー! 一緒にがんばろうねっ」
「オ、オゥ。でも、智香だって他人事じゃ」
と、ここでネタばらしされても困るので、俺は奈緒の言葉を遮るようにまあまあ、と口を開いた。
「とにかく奈緒は参加でいいんだな? 無理強いはしないぞ」
「うん、プロデューサーの顔も立てないとだしな」
「ありがとう。あいつに飯でも奢ってもらえ」
「ああ、そうするよ」
飛び火した後輩はビクッと肩を跳ねさせてから、がっくりと項垂れた。我関せずなんてさせてやらない。俺は性格が悪いのだ。
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