13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:28:59.71 ID:KNNRsk+y0
二人の立つアスファルトで舗装された道路と、田んぼから続くあぜ道が交差する小さな十字路。
少し開けた広場になっているその場所に、ぽつねんと立つ古びた街灯。
そしてその下にはもう一つ、赤く、丸い提灯の明かり。
「屋台ですよ、プロデューサー」
「……ええ、屋台ですね」
「本当に、見間違いじゃなく屋台です」
「でも、そんな……まさか」
「……月光の下で飲む酒は、けっこういいぞ、プロデューサー」
その二色の瞳を、まるで宝物を見つけた子供のようにきらめかせながら呟く楓とは反対に、
プロデューサーは鳥肌が立つような寒気と、何とも言えない嫌な予感に襲われていた。
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