過去ログ - 高垣楓「夢と現を、月見で一杯」
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4: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:14:41.29 ID:KNNRsk+y0

 以前は沖縄、その次は確か北海道。
 珍しく海外にロケへ行った時でさえ、楓は同じような手で騙されていた。

 つまり、それがどういうことかと言うと。

「もう! 貴方はいつもそうやって……事前にお店を調べておいたと、言ってくれたじゃないですか!」

「勘弁してくださいよ楓さん。地方の仕事は、スケジュールとの戦いなんです! 
 長期のロケならいざ知らず、短期の、それも殆ど日帰りみたいな仕事の何処に、飲みに行く時間なんてとれますかっ!」


「騙しましたね? いつもみたいに!」

「騙してません! 現にこうして、急いで宿に戻ってるでしょ。……今ならまだ、お酒の自販機も開いてますよ!」

 どうやら二人の泊まる民宿に置かれた、お酒の自動販売機が彼の言う「事前に調べたお店」らしい。
 先ほどまで虫の鳴き声と風の音しかなかった夜の空間が、二人の言い争う声により、ほんの少しだけ賑やかになる。


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