過去ログ - 高垣楓「夢と現を、月見で一杯」
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53: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/24(月) 00:21:27.60 ID:s0PoLOR90
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 次の日の朝早く。

 民宿の前にやって来たタクシーに荷物を詰め込むと、
 楓とプロデューサーは駅に向かうタクシーに乗り込み、二人仲良く田舎道を走る振動に揺られていた。

 助手席に座り、窓の外を流れる田舎の景色をぼんやりと眺めながら、
 プロデューサーが昨夜の不思議な出来事について――あの妙な喋り方をする老人や、
 辟易する甘さの団子に、奇妙な少女との出会い――あれは、本当に夢だったのか? 

 酒に酔った自分が見た、幻のような物だったのか……そんな風に、思いにふけっている時だった。


「きゃあ!」

 後ろに座る楓が、驚いて声を上げる。プロデューサーの体が、つんのめるように前に出る。
「危ないじゃねぇか!」と、タクシーの運転手が声を荒げた。

「な、なにが……」

 何が起きたのか? 目の前のダッシュボードに持たれるようにしながら顔を上げたプロデューサーの目に、
 澄ました顔でタクシーの前に立つ、一人の少女の姿が飛び込んできた。


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