8: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/21(金) 06:21:37.83 ID:KNNRsk+y0
「楓さん……帰りますよって」
「嫌です。こんなに月が綺麗な夜なのに、飲むのが自販機のお酒だなんて。そんなの、寂しすぎます。つまらないです」
「だからって、お店で飲んでも月は見えませんよ」
「お店なら、月の代わりに料理が出ます。
宿じゃもう、お夕飯だってとっくに終わって……とにかく、嫌です。納得ができません!」
そう言って今度は大人げなく、その場にくしゃりとしゃがみ込み、抵抗の意思を体全体を使って表す楓。
その姿はもう、上品で落ち着いた雰囲気の大人の女性ではなく、ただの可愛らしい駄々っ子だった。
そんな彼女を見てプロデューサーは困ったように頭を掻き、
「夜食なら、ちゃんと用意してありますから」となだめるような口調で言った。
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