過去ログ - 藤原肇「方円の器」 -SS速報VIP

過去ログ - 藤原肇「方円の器」

↓ 1- 覧 板 20

24:名無しNIPPER[saga]
2016/10/21(金) 21:04:12.94 ID:O/qe2uxpo

見る目は確かという彼女の評は、決して間違っていないのでしょう。
彼の言葉は余す所無く私の感想を言い当てて見せました。

　「……でも、それだけで」

以下略

25:名無しNIPPER[saga]
2016/10/21(金) 21:10:18.05 ID:O/qe2uxpo
　― ＝ ― ≡ ― ＝ ―

そもそも今回のツアーは、採算度外視の宣伝目的でして。
会場規模は問わないからとにかく全国十二都市を回るぞ、と社長が。
楓さん、頬を突っつかないでください。

以下略

26:名無しNIPPER[saga]
2016/10/21(金) 21:40:04.19 ID:O/qe2uxpo

　「私は、陶の道を志しています」

じゃれ合っていたお二人が、ぴたりと動きを止めました。
こちらを向いた四の瞳を、私は真っ直ぐに見つめ返します。

以下略

27:名無しNIPPER[saga]
2016/10/21(金) 21:45:05.26 ID:O/qe2uxpo

　「まぁ……素敵」

陶芸博物館には敵いませんが、それなりの数の陶器が飾られています。
小さなお猪口から、二抱えはある大皿まで。

以下略

28:名無しNIPPER[saga]
2016/10/21(金) 21:46:49.39 ID:O/qe2uxpo

　「……どう、して」

未だ伝えていなかった私の名を、彼は見事言い当てました。
数々の器に紛れるようにして飾られた、私の茶碗をじっと見つめながら。

以下略

29:名無しNIPPER[saga]
2016/10/21(金) 21:50:24.28 ID:O/qe2uxpo

作品の横には小さな札が並んでいます。
製作年月日、製作者の氏名、賞の名称。それだけが。

　「そうすると、残りはこの茶碗三点。明さん、薫さん、肇さんの三点になります」

以下略

30:名無しNIPPER[sage]
2016/10/21(金) 22:23:24.84 ID:oCZYSQ4No
はよ

31:名無しNIPPER[saga]
2016/10/21(金) 22:24:38.02 ID:O/qe2uxpo

　「――う、ぁ、ひくっ……うあぁっ……！」

　「えあのえっ!? 藤原さんっ!? ご、ごめん！何か気に障る事を……!?」

以下略

32:名無しNIPPER[saga]
2016/10/21(金) 23:03:15.82 ID:O/qe2uxpo
　― ＝ ― ≡ ― ＝ ―

　「初めて人の為に作った器なんです。二年前、母の為に」

以下略

33:名無しNIPPER[saga]
2016/10/21(金) 23:25:23.86 ID:O/qe2uxpo

　「……はい」

　「楽しかった以上に、悔しくはなかった？」

以下略

34:名無しNIPPER[saga]
2016/10/21(金) 23:26:18.81 ID:O/qe2uxpo

　「私、高垣楓って言うんです」

　「はい」

以下略

53Res/33.09 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ