11: ◆HACkWQpQbk[saga]
2016/10/22(土) 15:16:55.57 ID:1dmR7XxL0
  私と父は船に乗っていた。船と云っても客船とも呼べぬ粗末な代物で、おそらく商船かなにかに乗せてもらっていたのだろう。 
  暇な私が船中を捜索していると突然物陰から大男がとびかかってきた。 
  見ると怖がらせるつもりなのだろう、珍妙に顔を歪めてこちらを威嚇している船員である。 
  呆れた私が黙っているとお、泣かなかったな、偉いぞと云って頭を撫でてくる。 
  実はそれなりに驚いたのだが、大男の顔が恐いよりむしろおかしかったのでこみ上げる笑いとで相殺されたんである。 
  それでも褒められるのはうれしいので黙って撫でられていた。 
  
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