過去ログ - 理樹「次に目を開けると深夜を徘徊する老人となっていた」
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29:名無しNIPPER[saga]
2016/10/28(金) 22:20:01.32 ID:zrSxdLSZ0
理樹「いつもの街で、いつもの帰り道、一つの買い物袋を2人で持った。僕はそれを給食当番みたいだと思ったんだけど、鈴はカップルらしいと思ったんだってさ。あの夕焼けは綺麗だったな。とても静かだったんだ……」

理樹(たった数時間前の事がずっと昔のように思える。それは本当に70年も前だったのとは関係ないような気がした)

理樹「それで……きっと僕らは楽しく秋刀魚を焼いて食べたんだろうな……いや、もしかしたら雨が降って中止になったかも…でも……でも……その行く末に僕は立ち会うことが出来なくなってしまった……!」

理樹(あれだけ言われたのに、あれだけ恭介に流すなと言われたのに……頬が線を描いて濡れた。この歳になっても泣く人は珍しいだろうか?)

恭介「……よしよし、いきなり驚いただろ理樹?だけど大丈夫だ。俺が付いてるぜ」

理樹(僕の名前を覚えていたのか……。恭介が頭を撫でて僕に声をかけてくれた。その動作は決して老人をあやすそれではなく、1人の友人を慰める物だった)

恭介「まったく、昼まで走り回りやがって……どうせ今から学校に向かっても無駄だ。爺ちゃんの気が済むまで付き合ってやるぜ。一応まだ出席日数は余裕がある」

理樹「………ありがとう」

恭介「ふっ、母さんを産んでもらった礼だ」

理樹(その言動、照れ隠しの優しさ……彼は確実に棗の血を引いていた)


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