過去ログ - 理樹「次に目を開けると深夜を徘徊する老人となっていた」
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49:名無しNIPPER[saga]
2016/11/04(金) 21:32:44.72 ID:CCmWErqn0
理樹(この家の住所は案外、学校とそう離れていなかった。恭介の車で走ること2時間、標識に聞き覚えのある名前が見えてきた)

理樹「ん……おっ……」

恭介「馴染みの風景になってきたかい?」

理樹「いや……名前だけだね。どれもこれも見たことのないものばかりだ。それにしてもコンビニがバカみたいに多いね」

恭介「へえ、爺さんの頃にもコンビニってあったんだ」

理樹(未来の世界というと誰しも空中に道路があったり、アンドロイドがそこらを歩いていたりと想像するものだが、実際の70年後の世界というのはそういう派手な変化はなかった。ただ、目に見える変化はファッションや建造物がすべて洗礼されたものになっているというものだった)

理樹「さっきまでは考える暇さえなかったけど……みんないったい何を見て歩いているの?」

理樹(前にも見た長方形の液晶パネルを歩く人全員が眺めていた。自転車で移動する人も歩く人も器用にぶつからずしきりにその板を撫でたり擦ったりしている)

恭介「そうか、あんたの高校の頃はまだガラケー時代だったか。ありゃ携帯が進化した物だ。パソコンがあれに凝縮されていると言ってもいい」

理樹「ふーん……」

理樹(この時代の人々は歩きながら外を眺める楽しみを忘れてしまったようだ。散歩という概念はあるのだろうか?)

恭介「あぁ……でもここからは見覚えあるんじゃないか?多分70年ものだぜ」

理樹「あっ!」

理樹(高速に入ると横に見覚えのある海が広がった。そして反対側には川の両端にある大きな土手が街へ続いていた。あの道は忘れもしない、夕暮れに鈴と一緒に歩いた帰り道だ。僕が元の世界で最後にいた場所だった)

理樹「なるほど。これなら見つけられるかもしれない。みんなといた日々……」

恭介「へへっ、今のはなかなかクサい台詞だったな」

理樹「う、うぐぅ………」


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