過去ログ - 理樹「次に目を開けると深夜を徘徊する老人となっていた」
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54:名無しNIPPER[saga]
2016/11/04(金) 23:26:03.79 ID:CCmWErqn0
理樹(再び校舎に入り、一気に階段を駆けた。自分の素晴らしきアイデアに心が踊り、目的地まで上がって息が切れても疲れを感じることはなかった)

理樹「ハァ……ハァ……!」

恭介「おいおい、あんまり無茶しないでくれよ!これで母さんに何か言われようものなら……」

理樹「……あっ、そうだった。ねえ恭介。ちょっとお願いを頼まれてくれない?」

恭介「えっ?」

理樹「さっきの校長先生に屋上の鍵を貸してくれって頼んでくれないかな」





…………………………………………………………………



ガチャッ

理樹「ふぅ……」

理樹(ドアを開けると気持ちいい風がお出迎えをしてくれた。流石にドライバー一本で侵入できる自信はなかったので素直に鍵を借りて正解だった)

恭介「おおー!屋上か!初めて入るな!ヒィィーーヤッホォオォオウ!!」

理樹(恭介が弾けた。僕も釣られて飛び出しそうな気分になった)

理樹「やっぱりここはあんまり変わってないな」

理樹(全部以前のままという訳ではなかったが面影は残っていた)

恭介「よかったな!やっと思い出が生き残っていた訳だ。これで信じたんじゃないか?ここのことを」

理樹「………いや、僕も信じたかったけど……今思うとそれは難しかったな」

恭介「えっ?」

理樹(確かに横に取り付けてある梯子も、その上にある貯水池も懐かしいものだった。屋上自体は変わっていなかった。ただ、問題はそこから見える景色だった)

理樹「屋上の醍醐味は上から眺める景色だ。ある意味景色も屋上の一部と言っても過言じゃない。確かにここだけを見れば懐かしさに浸れたかもしれない……だけどその他、全ての景色が別物になっていたらそれは違和感しかない」

理樹「ほら、ここから見えるあのグラウンドなんか元々あんな部室はなかった。僕らの時は僕らが使っていた野球部のお古一つだけだった。やっぱり……ここはダメだよ。注文が多いと言われるだろうけど」

恭介「……ま、本人が納得しないんならしょうがないさ。それよりもうここは今度こそもういいか?」

理樹「うん……今度こそね」

理樹(それから恭介の車に戻っても名残惜しい気持ちは抱けなかった)


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