過去ログ - 【ペルソナ5 奥村春SS】春のまにまに
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名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:10:22.74 ID:Y3tzY7X6o
その日、私たちは馴染みあるいつもの場所に集まっていた。階下から香る深みのある独特の芳香が私の胸の高鳴りを少しだけ静めてくれる。
「つーか遅ぇなあいつら、何してんだ。ったくよー」
以下略
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名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:11:26.31 ID:Y3tzY7X6o
「そーだよー。てかわたしもそうじろうから聞いただけだし。他に誰か聞いてないの?」
ずっとスマホを見つめていた双葉ちゃんが顔をあげ首を捻る。
「残念ながら俺は聞いていないぞ」
以下略
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名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:12:16.55 ID:Y3tzY7X6o
さっきの返事を変に思われていないかと気が気でなかったがそれは自意識過剰で、みんな変わらず雑談を続けていたのでホッと胸を撫で下ろした。
昨日双葉ちゃんの提案で、リーダーを除いた元怪盗団のグループチャットがひっそりと作られた。
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23
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:12:59.42 ID:Y3tzY7X6o
実のところ、こればかりはみんなも同じなのかどうかわからないけれど、私は毎日欠かさず彼と連絡を取り合っている。
昨日も他愛もない些細なやり取りをしている最中、急に明日戻るからと連絡を貰っていた。サプライズでみんなで待とうと話し合う少し前のことだった。
『明日そっちに戻るんだけど、会えない?』
以下略
24
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名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:13:35.05 ID:Y3tzY7X6o
会えないかと聞いたのはみんなも含めてのことだったのかなとか、そんなことを考えていた。サプライズだとみんなで話している手前、彼に聞くのもおかしい気がして黙っていたけれど───ようやく事の一部始終を理解できたのだった。
予定してたのとは違うけど、会えるから。
彼はみんなに内緒で、二人で会おうとしてくれてたみたいだし、それだけで十分嬉しいもん。
以下略
25
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:14:14.10 ID:Y3tzY7X6o
「んー、変わったというか、最後まで普段と怪盗のときで露骨に違ってたよね。怪盗になると『ショータイムだ』とか言ってたし。どんだけノリノリなの」
「とにかく不思議な人、だったわね。確実なのは、彼は今も私たちのリーダーってことかしら」
「そうだね、だっていなくなった今でも話題の中心だもの」
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26
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:15:07.12 ID:Y3tzY7X6o
「ガリも大量に取っておいたぞ。無料とは素晴らしいな」
「ああ、そう……」
人付き合いに意味を見出だせなかった私は、友人と呼べる友人などずっといなかった。そんな私が今、損得や利益といったものと無関係な、対等な関係を築いて楽しくお喋りできている。
以下略
27
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:15:45.09 ID:Y3tzY7X6o
「いらっしゃ……、お前か。久しぶり……でもねぇが、よく来たな」
長く続いていた雑談が途切れ、静寂が訪れたタイミングだった。だから下からの声がみんなの耳に小さく届いた。
以下略
28
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:16:23.52 ID:Y3tzY7X6o
待ち受けた私たちは誰も言葉を発しない。私は大好きな彼の顔に釘付けだったから周りは見えていないけど、みんなニヤニヤしたり優しく微笑んだり、とにかく、笑顔でいた。これはたぶんじゃなくて、絶対。
「……なんでみんないるんだ?」
呆けたように彼が口を開いた。それが合図となって一斉に弾けた。
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29
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:16:54.91 ID:Y3tzY7X6o
「い、いや、そうじゃなくて。ちょっと前に送り出してもらったばっかりなのに、すぐまた会うのって気まずくない?」
彼は竜司くんに肩を抱かれながら、部屋に引っ張り込まれるように入ってくる。モナちゃんは鞄から飛び出て双葉ちゃんの膝に飛び乗った。
「そんなことを気にする間柄じゃないだろう、俺たちは」
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30
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/10/24(月) 22:17:37.64 ID:Y3tzY7X6o
もう懐かしくもある作戦会議を思い起こさせるように、騒がしい声が部屋に響き渡る。
私は見惚れていたせいで流れに乗れず何も喋れないままだった。何を言おうとしてたか忘れちゃったけど、無理に話そうとはあまり思わなかった。
しばらくぽーっとしていると、彼が横までやってきて立ち止まり、真正面から目を合わせた。
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