過去ログ - 【ペルソナ5 奥村春SS】春のまにまに
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46:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:16:48.85 ID:sIrnBUYZo


 過ぎてほしくない時間ほど早く過ぎ去るものだとは聞いていたけれど、喫茶店───彼と二人きりで過ごす部屋───に到着するまでの道のりは、それを最もわかりやすい形で体験できる短い旅路だった。言い過ぎじゃなく感覚的には来たときの半分ぐらいの距離に感じた。

 ルブランの扉の前に着くと、どちらからともなく繋いだ手が離れた。最後は指先を伸ばして名残惜しさを彼に伝えた。

 営業は終わっているみたいだけど、おじ様がまだ片付けをしているらしく灯りが点いたままだったからだ。別にどうしても隠さなきゃいけない関係ではない(と、少なくとも私は思う)けれど、まだなんとなく恥ずかしい。

 「CLOSED」の札がかかった扉を彼が開くと、チャリリンと来客を知らすドアベルが鳴り響いた。カウンターで煙草を吸っていたおじ様が、彼に続いて入る私を見て驚いた目を向ける。


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