過去ログ - 【ペルソナ5 奥村春SS】春のまにまに
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51:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:21:11.49 ID:sIrnBUYZo
 おかえり。

 ただいま。

 私の帰ってくる場所。帰ってこれる場所。ほっとする心地好さ。私の居場所。
以下略



52:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:22:22.33 ID:sIrnBUYZo
「君、わかって言ってるでしょう?」

「さあ。なんのこと?」

 彼の声が耳元から私の中に入り、身体中に広がっていく。とぼけたような言い方も全然憎らしくなくて、愛しくてたまらない。
以下略



53:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:23:34.06 ID:sIrnBUYZo


 それからソファに座り、甘えたり甘えられたりのくすぐったすぎて悶えそうな時間をひとしきり過ごした。

 知らなかったことだけれど、長い時間笑顔でいてもそれが自然なものだとあまり疲れないみたい。作り笑いなら慣れてるけど、立食パーティーなんかでずっとそうしていると、終わり際には頬の筋肉がひきつりそうになっていたのに。
以下略



54:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:25:00.57 ID:sIrnBUYZo
「私も君が淹れてるところ、見たいな」

「またいつでも見せるよ。だから今日は座ってて」

「う、うん……」
以下略



55:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:26:01.64 ID:sIrnBUYZo
 この部屋、この状況……。クリスマスの日かしら? いや、あのときとは違うような。それに、もっと最近に見たことがある気がする。部屋に入ったときはそんな感覚なかったのに、なんでいきなり?

 さっきまでと違うこと。

 ……コーヒーの香り。これが契機?
以下略



56:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:26:46.10 ID:sIrnBUYZo
 とりあえずここに私以外誰もいないのは間違いなさそうだけど、急に不安になってきた。もしかするとこの一部始終を誰かに見られているのではないかと。

 夢と現実を結びつけるなんて非常識で不条理なことだとはわかっている。けれど、夢と符合するところが多くて不安を拭いきれない。

「…………!」
以下略



57:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:27:43.79 ID:sIrnBUYZo
「……何してんの、春」

「ひゃうぁっ!?」

 慌てて振り返ると、彼がコーヒーを二つ持って階段を昇ってきたところだった。
以下略



58:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:28:41.67 ID:sIrnBUYZo
 彼はコーヒーを机に置いてベッドに歩み寄る。彼に手を引かれベッドを降り、二人で深呼吸をした。

「何があったの? 人の気配でもした?」

「う、うーん……。ま、窓の外とか……」
以下略



59:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:29:55.26 ID:sIrnBUYZo
「なるほど。それで気になったんだ」

「うん……。そんなバカなことあるわけないのにね」

「はい。これでも飲んで落ち着いて」
以下略



60:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/29(土) 23:30:39.84 ID:sIrnBUYZo
 彼は大袈裟に肩を竦めぼやく。

「あははっ、おじ様は厳しいね。私も、豆の種類ぐらい当てられるようになんないとね」

 味と色と香りから、これまでに飲んだことのあるいくつかの銘柄が頭に浮かんだけれど、具体的にこれというところまでは辿り着けなかった。まだまだだなぁ。
以下略



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