14:名無しNIPPER[saga]
2016/10/26(水) 00:40:27.28 ID:sqB/Yocc0
……そんな体たらくで、この先どうやってファンの人達に『棟方愛海』というアイドルの魅力をアピールしていくんだろうね?
そもそも、あたしに人を惹きつけるほどの魅力なんてあるのかな……?もうわかんないや。どうだっていい。
「プロデューサーさん……いつの日だったかな……忘れちゃったけど……あたしの採用理由を聞いたときあったよね?」
「……はい。それがどうかしましたか?」
「その時さ……なんて答えてくれた?」
「……笑顔です、と。お答えしました」
「そう、笑顔。……その答えってさ……今も変わってない?」
なんでだろう。プロデューサーさんの顔をじっと見てるとなんだか泣きそうになってきた。
別に怒鳴られているわけじゃないのに。……どうしてなんだろう?
我慢が限界を超える。自分の感情を処理仕切れなくてオーバーフローを起こしたみたいに後からこぼれ落ちてくる生暖かい涙の粒が頬を濡らしていく。
慌てて、手の甲で目元をぐしぐしと擦る。ええい、中学三年にもなって人前でみっともなく泣くな。プロデューサーさんに誤解されちゃう。
「あ、汗が目に入っちゃったよぉ……あははは……」
「変わっていません」
「…………え?」
「笑顔です」
「……本当に?」
「はい。あの時ーー青森に出張していた私が、偶然見かけた貴女の笑顔に見惚れました。真冬のとても寒い日でしたね。女性のお友達らしきお方と雪合戦をして遊んでいた棟方さんの笑顔は……それはもう、キラキラで輝いていて、降り積もる雪さえ溶かすほどに眩しく感じた……いい笑顔、でした」
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