過去ログ - 神谷奈緒「分かってる。これも営業の一環なんだろ?」
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11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/26(水) 03:34:50.99 ID:AArqfKRy0

「な、奈緒?」

「……ごめん。もう少しだけ、このまま」

 そう言う奈緒の肩は小さく震えていたが……俺はそんなか弱い少女を、
 抱きしめて安心させることも、優しい嘘で勇気づけることもできず。

 ただただ黙って小指を絡め続けることしかできないでいた。



「……じゃあ、行って来る」



 それからしばらく経ってから、奈緒はそう言って自分から小指を解いた。

 ……仕事の為、チャンスの為。いくら必要な犠牲なんだと綺麗事を並べたところで、
 今回奈緒が失うものは、大切にしてきた物は二度と元には戻らない。

 唯一、時間だけが解決策を知っていたが、それも何年先になるか。


 ……俺にくるりと背を向けて、奈緒が扉の向こうに消えて一時間と少し。

 ようやく外に出て来た彼女の姿は、まるで別人のように変化していた。


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