過去ログ - 女の子「今宵はそろそろ、お別れですね」
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1: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 22:51:23.70 ID:bVJDmh62O
男「もうか」

女「はい。もう、時間が来てしまいました」

男「少しばかり、早過ぎはしないか」

女「いえ、そんなことはありません」

男「そうか」

女「はい」

男「思えば、随分と長い夜であった」

女「私にとっては、全てが一瞬でございました」

男「そうか」

女「はい」


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2: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 22:56:14.68 ID:bVJDmh62O
男「結局最後まで、お前とは気の合わないままであったな」

女「つれないことを言わないでください。意見は合いませんでしたが、わたしはそれも幸せでございました」

男「そうか」
以下略



3: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 23:03:05.09 ID:bVJDmh62O
女「また逢えた時は、再びわたしと同じ夜を過ごして頂けますか」

男「二度と言わず、何度であろうとも」

女「また逢えた時は、今度はわたしも共に連れて行ってください」
以下略



4: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 23:10:08.01 ID:bVJDmh62O
男「そこらの茶屋の娘が、随分と強かになったものだ」

女「今は、貴方の妻ですので」

男「言いおる。今の言葉、黄泉まででも追い掛けて後悔させてやろうか」
以下略



5: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 23:18:11.82 ID:bVJDmh62O
女「いいえ、それだけで良いのです。貴方と語らったこの夜こそ、私にとっての全てでした」

男「語らう、ということ以外、私はお前にしてやれなかったのだな」

女「はい。ですが、きっとそれで良かったのだと思えます」
以下略



6: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 23:23:39.61 ID:bVJDmh62O
男「それは、なんだ」

女「何だと思いますか」

男「分からん。さっぱり分からん。お前とは散々語り合ったが、言ったことのない言葉など」
以下略



7: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 23:29:50.54 ID:bVJDmh62O
女「話は変わりますが。今宵は外が随分と明るいのですね」

男「ああ、ひときわ大きく満月が浮かんでいるのだ」

女「なるほど、やはり」
以下略



8: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 23:35:32.05 ID:bVJDmh62O
女「ぼうっと月を眺めていると、あまりの美しさに時を忘れ、まるで月に溶けて消えてしまうように感じてしまった夜があります」

男「それは妬けてしまうな」

女「あら、これは珍しい御言葉を聞くことが出来ました」
以下略



9: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 23:41:11.29 ID:bVJDmh62O
男「私は生来、一人旅が好きなのだ」

女「はい。しかし次はわたしも連れて行って下さると」

男「ああ。だからそれまでにまた土産話を用意しておくことにしよう、うんと沢山のな」
以下略



10: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 23:44:53.28 ID:bVJDmh62O
男「しかし今度は、お前が私の家に嫁いで来て、そして去っていくのか」

女「別れが惜しい気持ちは変わりません。ですから、必ずまた逢えましょう」

男「ああ」
以下略



11: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 23:47:19.98 ID:bVJDmh62O
男「…………」

女「…………」

男「…………」
以下略



12: ◆30lx83ehPU[saga]
2016/10/26(水) 23:48:53.86 ID:bVJDmh62O
以上です

「 I love you 」をそう訳した友人がいたので




13:名無しNIPPER[sage]
2016/10/27(木) 07:34:35.84 ID:Z2G2JFW60



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